
エネルギー領域の主治医
私の任務は、エネルギー効率最適化技術の開発や、当社エンジニアが実施する最適化施策の技術管理、顧客企業のさまざまな技術的課題を解決する為のエンジニアリング業務の統括がメインです。多くの企業ではエネルギー管理領域を高い専門性をもって扱う部署や機能がないので、その役割を担っています。おこがましいですがエネルギー領域の主治医といったところでしょうか。
売りモノは、改善機能と仕組み
ファイナルゲートの商品はモノではなく、知見と技術を背景にした改善機能と検証の仕組みです。これが他社と大きく違う部分です。たとえば、設備導入においても「この製品を導入することで、省エネを進めましょう」と自社製品を導入することが目的になりがちですが、ファイナルゲートは効果を上げることが目的なので改善への思考の起点が異なります。
専門的な知見をもとに、世の中にある技術情報と現場事情を結びつけ、最適なソリューションを実現するようにしています。費用も当社負担ですので、お客様側には改善策のミスマッチや費用対効果への懸念などは発生せず、より高い省エネ効果を実現することができるのです。そのために広くさまざまな技術に関する情報収集も行っています。

人と人との繋がりを大切に
お客様と同じ目線で、傍に寄り添いながら業務にあたることを心がけています。ビジネスとしてだけではなく、人として喜んでいただきたいですから。お客様からの「ありがとう」という言葉は、何より嬉しいものです。知識と技術が売りモノの我々は、人と人との繋がりを大切にできる集団であるべきだと思っています。エネルギー領域の主治医としての意見も、人間としての信頼感がなければ聞いてもらえませんから。
信頼を積み重ねていくところが、複雑なエネルギー理論よりも私にとっては重要で難しい仕事かもしれません。

ダイレクトに実感できる仕事の喜び
私は以前、発電所のプラント建設にも携わっていました。一般的には規模が大きなプラント建設のほうが、技術的難易度や達成感も大きいと思われるかもしれません。しかし、お客様の悩みを自分の技術で解決したり、顧客企業に代わってエンジニアリング会社とプロジェクトを管理していくのは、技術的にはもちろん、仕事の難しさや達成感など過去のそれらを凌駕するものがあります。
そして何より現在は、お客様と直接やりとりする中で反応をダイレクトに受け取ることができます。「お客様のために、社会のために、自分の技術が役立っている」と以前よりも強く感じています。その実感こそ私がエンジニアとして真に求めていたことだったのかと、自分でも驚きました。


親しみやすく、頼りになる会社へ
仕事柄これまで多くの設備メーカーや建設会社を見てきましたが、ファイナルゲートは嘘がない、誤魔化さない、正直な人の集団だと自負しています。過去には下手で不器用でご迷惑をおかけしたこともありましたが、お客様を思うことだけはとても得意な会社だと思います。
日本にはたくさんの優秀なエンジニアがいます。なかなか表に出る職業ではありませんが、私もエンジニアとして、もっとエンジニアが評価される社会になってほしいと思う中のひとりです。ファイナルゲートのようなエンジニアリングで勝負する会社がもっと社会的評価を上げていけば、自ずとエンジニアへの評価も変わってくると思うので、そうなったら嬉しいですね。
取材・文:田中敦 撮影:平田光二